【コラム】目には見えにくいけど大事な資産!「知的資産」について

 現金や預金、固定資産など企業が持つ資産の多くは、財務諸表に表されます。これらは、数字として可視化されているため、顧客が取引先を選ぶときや、銀行が融資の判断をするときに、その企業が持つ稼ぐ力を測る分かりやすい指標となります。

 ですが、こうした数字に表される資産だけが企業の経営を支えているわけではありません。他社にはないノウハウや特別な顧客とのネットワーク、優秀な人材など、可視化されていない独自の強みをそれぞれの企業は持っています。

 今回は、この「知的資産」について、その具体例活用方法についてご紹介いたします。

君こそ「知的資産」だ!

最後までご覧いただけると嬉しいです。

知的資産の具体例

 知的資産の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

技術や技能を持った人材
知的財産(特許やブランド、著作権など)
組織力
経営理念
得意先とのつながり

ここに示した例のほかにも、財務諸表に表れない自社独自の強みがあるはずです。

ぜひ探してみてくださいね。

知的資産は、縁の下の力持ち

 前述のとおり、知的資産は数字で表されるものではありませんので、その重要性が伝わりにくいものです。

 ですが、例えば優れた技術力や、独占排他的な効力を持つ知的財産権(特許権や商標権)を持つ企業は、市場で同業他社よりも優位な地位に立つことができ、結果として多くの利益を得ることができます。

自社の強みである「知的資産」をしっかりと把握し、それを活用することで業績の向上に結び付ける経営のことを「知的資産経営」といいます。

 それでは、次に知的資産の活用方法について、いくつかご紹介いたします。

 前述のとおり、知的資産は「競争力の源泉」ですので、意識せずとも日々の経営活動の中で活用しているものではあります。

 ですが、今まで意識してこなかった自社の知的資産を発見することや、その活用方法について考えることは、企業の経営活動において大事なことだと思いますので、ぜひ最後までご覧いただき、その一助にしていただけますと幸いです。

自社の技術力をアピールして取引先を拡大

 知的資産の代表例として、企業が持つ「技術力」が挙げられます。

 自社独自の技術を営業資料に掲載することによって、競合企業の中から選ばれる存在になります。

 また、新しい技術を開発する度に、適宜、ホームページSNSで開示することも企業活動に有効です。これによって既存顧客とより強固な関係を築くことが期待できます。

 その他にも、金融機関への融資の申込など資金調達の現場では、決算や今後の利益目標を提示する際に併せて自社の技術力を伝えることで、説得力のある説明が可能となります。

目に見えない「技術」というものを、売上高や利益目標といった「数字」と関連付けて発信できると良いですね。

Warning

自社情報の開示は、ビジネスをするうえで重要なことですが、営業秘密や内部資料に留めておきたいものまで開示しないように慎重に行いましょう。

積み上げてきた経験や実績を活かしたコンテンツの発信

 企業がこれまでに積み上げてきた「経験」「実績」も、目には見えませんが企業の稼ぐ力を支えているという意味では、知的資産と呼んでよいでしょう。

 近年、ホームページやSNSを活用してコンテンツを発信する企業が増えてきました。このようなコンテンツの発信事業は、それ自体が収入源になりますし、集客方法としても有効ですが、ありとあらゆる情報が溢れている現代のインターネットでは、ただ闇雲に情報を発信しているだけでは効果が薄いです。

 今まで経験してきたことや上げてきた実績を交えることで、独自性のあるコンテンツを生み出し、他社のコンテンツと明確に差別化していきましょう。

 また、YoutubeやSNS、ブログなどでコンテンツを発信する際には、自社の実績や公的機関からの認証などを同時に示すと、コンテンツに説得力を持たせることができ、選ばれやすいコンテンツになります

保有している資格合格した検定試験などを開示することも、コンテンツの質のアピールになります。

★AI時代到来!生き残りのカギは「知的資産」 ★

 近年、生成AIの発展により誰もが簡単にコンテンツを作成し、発信することができるようになりました。

 ですが、生成AIを活用してクオリティの高いコンテンツを作成することは、簡単ではありません。生成AIに専門的な内容の文章を作成させると間違った情報を入れることがありますし、イラストや動画を作成させるとどこか違和感のあるものを作成することがあります。

 既にネット上では、生成AIによって作成されたであろう真偽不明な情報や、既存の著作物を模倣したようなコンテンツが溢れており、このような状況に疑念を抱くネットユーザーが増えてきています

経営理念を発信して共感を得る

 企業が掲げる「経営理念」も知的資産に含まれます。

 従業員や投資家、取引先、地域住民といったステークホルダーは、企業の経営理念からその企業が今後どのような経営の仕方をするか予測します。

 経営理念を積極的に発信し、自社にとって重要だと思われるステークホルダーからの共感を得ることができれば、販路拡大資金調達がやりやすくなるでしょう。

 また、経営理念に共感したステークホルダーを集めることは、敵対的M&Aへの対抗策となることも期待できます。

ホームページSNSなどを活用して、より多くの人から自社の経営理念への共感を集めましょう。

ロゴやキャラクターを使った他社商品との差別化

 「ロゴ」「キャラクター」も知的資産に含まれます。

 おしゃれなロゴや可愛いキャラクターを付することによって、自社の商品やサービスの魅力を高めることができ、他社の商品やサービスとの差別化を図ることもできます。

 また、同じロゴやキャラクターを長年使い続けることによって、ロゴやキャラクター自体に信頼が蓄積され、商品やサービスの質を超えて選ばれる要素になることもあります。

例えば、ファッションに興味のない人が、周りの人の目を気にして、とりあえず有名なブランドロゴが入った服を購入したりすることがあるかと思いますが、そういった消費行動もロゴに付帯した企業への信頼からなるものと考えられます。

 いかがだったでしょうか?

 今回は、「知的資産」についてご紹介いたしました。

 数字では測れない企業の潜在能力を見るかのような知的資産の考え方は、個人的にとても好きです。

 本コラムが、皆様の知的資産経営の一助となれば幸いです。

 最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

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行政書士 佐藤 千峰

投稿者プロフィール

佐藤 千峰
職業:行政書士
経歴:平成30年4月から令和6年12月まで地方公務員として勤務。主に、住民税の賦課業務、例規および重要文書の審査業務などに従事。令和7年5月に行政書士事務所を開業
取扱業務:会社設立サポート、補助金申請サポート、著作権登録申請サポートなど
資格:行政書士、著作権相談員