【コラム】地方移住×起業に「観光地」という選択肢を!!

「都会の喧騒を離れ、自然豊かな地方で起業して、悠々自適なスローライフ」、誰もが一度は憧れたことがあるのではないでしょうか??
コロナ禍以降、テレワークの普及やライフスタイルの変化を背景に、場所に縛られない働き方が広がり、「都会に住む必要性」が薄れました。
また、多くの自治体が、起業支援補助金や住居支援を設けて、地方への移住促進を図っています。
このような背景から、今では、その憧れも現実的になってきています。
ですが、地方での起業には良い面だけではなく、大きなリスクがあることも認識しておかなければなりません。
今回は、個人事業主をはじめとする地方の小規模事業者が向き合う課題と、その解決策の一つである「観光地での起業」についてご紹介いたします。
地方の小規模事業者が向き合う課題
移住起業に当たって、まず考えるのが、飲食店やサービス業をはじめとする地域住民を対象としたビジネスではないでしょうか?
ですが、近年多くの地方では人口減少や少子高齢化が進んでいるため、地域住民だけを対象としたビジネスは、市場規模が縮小傾向にあります。
たとえどんなに魅力的な商品やサービスを提供し続け、地域で一番の売上げを維持していたとしても、母数である消費者が減少していけば、それに対応して得られる利益も減少していくため、小規模事業者にとっては、事業の継続が、年々難しくなっていきます。

もちろん、経営戦略の見直しや流行の変化、ライバル店の撤退など、その他の様々な要素によって売上げは変わっていくものですが、やはり「消費者の減少」というのは、見逃せない大きな要素といえるでしょう。

人口減少や少子高齢化の影響で、消費者が減少することにより、「トップシェアであれば安泰」という構図は、成り立たなくなっています。
大企業であれば、国外に工場や支店を作って販路を拡大したり、M&Aによって事業規模を拡大したりすることで、事業を継続させ、利益を伸ばすことができますが、個人事業主をはじめとする小規模事業者がそのような手段をとることは簡単ではありません。
「観光地」で起業するメリット
これから地方で起業をするには、このような社会情勢の中でも事業を継続できるような事業戦略が必要となります。
今回、その事業戦略の選択肢の一つとして提案したいのが、観光地での起業です。
人口減少による市場規模の縮小をカバーできる。
前述のとおり、現在、多くの地方では人口減少が進み、住民のみを対象としたビジネスの市場規模は縮小傾向にあります。たとえ地域内でトップシェアを確保できたとしても、母数自体が減少していけば、売上維持は難しくなります。
この点、観光地には地域住民に加え、観光客という新しい顧客層が流入します。
国土交通省の令和7年版「観光白書」(外部サイト)によると、2024年の訪日外国人旅行者数は3,687万人で、消費額は8兆1,257億円と、いずれも過去最高を更新したとのことです。
このように観光地には、国内外から多くの人が訪れるため、人口減少による市場規模縮小のリスクヘッジが期待できます。

観光客の消費行動は、今後も経済を支える大きな柱となりそうですね!
地域資源を活用した独自性の高いビジネス展開が可能
地域の魅力を活かした独自性の高いビジネスを展開しやすくなる点も、観光地で起業する大きなメリットです。
観光地には、その土地ならではの文化、歴史、食、自然などの地域資源が豊富にあります。
これらを活かすことによって、他地域の同業種との差別化につながり、持続可能なビジネスモデルを作りやすくなります。
また、現地の観光関連の事業者との連携も期待できます。
例えば、観光案内所や宿泊施設などの観光マップに載せてもらうことができれば、観光客に店舗を紹介してもらうことが期待できますし、イベント企画会社が行うスタンプラリーなどの街巡りイベントなどに参加できれば、多くの顧客の獲得が期待できます。
オンラインでも「観光地」は強いブランドに
前述しましたが、小規模事業者にとって国外に工場や支店を作って、販路を拡大するということは、簡単なことではありません。
ですが、インターネットが発達した現代社会では、ネットショッピングやライブコマースといったオンライン展開によって、販路を拡大するという方法があります。
観光地での企業は、オンラインでの販路拡大にも大きな強みがあります。
観光地は他の地域と比較してネームバリューがあるので、「〇〇発」や「〇〇限定」というような謳い文句があると顧客の興味を惹きやすいでしょう。
また、SNSでの情報発信とも相性が良く、フォトジェニックな背景を活用して商品やサービスを紹介することによって、顧客の購買意欲を高めることも期待できます。
★オンラインでの販路拡大には、補助金の活用を★
オンラインによる販路拡大のために、ホームページやECサイトの制作を外注する場合、多額の費用が必要となります。
こうした費用に活用できる補助金は、いくつかあります。
その内の一つが、中小企業庁の「小規模事業者持続化補助金(創業型)」(外部サイト)です。
この制度は、創業後3年以内の小規模事業者等を対象にした、補助上限200万円(特例を活用した場合は、補助上限最大250万円)、補助率2/3の補助金であり、その対象となる経費の中にウェブサイトやECサイトなどの開発、構築、運用などに要する費用が含まれているのです。
次回の「小規模事業者持続化補助金(創業型)」の申請受付開始は、令和7年10月3日(金)となっていますので、ぜひご検討ください。

補助金は、申請できる期間が限られていることが多いので、できるだけ見逃さないようにしたいですね!
★「小規模事業者持続化補助金(創業型)」の申請要件や特例要件、対象経費などの詳細は、こちら(外部サイト)からご確認いただけます。
観光地で起業するデメリット
観光地での起業は確かにメリットが多いのですが、一方で デメリットやリスクも存在します。
次に観光地で起業するデメリットをお示しいたしますので、これらも念頭に置いて、ご検討いただければと思います。
繁閑差が大きい傾向にある。
観光客の入込数は、季節やイベントの開催時期によって大きく左右されます。
夏・冬の観光シーズンには、観光客も多くなり売上げが伸びやすい一方で、オフシーズンは売上げが伸びにくい傾向にあります。
継続的に収益を獲得するためには、「閑散期の戦略」が重要になってきます。

ただ、これに関しては、繁忙期にしっかり働いて、オフシーズンはゆっくり休みたいといった「メリハリのある事業経営」をしたい方にとっては、メリットともいえるかもしれませんね。
競合が多い
観光地はビジネスチャンスが豊富な反面、同業者が多いのが現実です。
特に、飲食店や宿泊施設は競合が乱立しやすいので注意が必要です。

他店と差別化できるように、創業前にはしっかりと事業計画を練りましょう!
観光地での起業なら「小樽市」がお勧め!
ここまで読んでいただき、観光地での起業に興味を持ってくださった皆様に、ぜひお勧めしたい街が、北海道にある「小樽市」です。
小樽市は、歴史ある街並みと豊かな自然で知られる人気観光地です。
小樽運河沿いの石造り倉庫群やレトロな商店街は、国内外から多くの観光客を惹きつけ、年間を通じて多くの観光需要が見込めます。
北海道の政令指定都市である札幌市からのアクセスも良く、多くのリピーターが取り込める点も大きな強みです。

令和7年5月28日の小樽市の発表(外部サイト)によると、令和6年度の小樽市の観光入込客数は、なんと806万8,800人とのことでした!
北海道新幹線の小樽延伸も予定されており、今後ますます観光需要の増加が見込まれる街です!
★あわせて読みたい★
関連記事:【コラム】小樽市で起業するならどこがいい??目的別に選べる注目の5エリアを解説!!

小樽市での起業を検討される方に、お勧めのエリアを五つ紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
小樽市での起業時に知っておきたいこと。
小樽市の「創業支援補助金」で資金調達!
小樽市内に店舗、事務所などを設置し、新たに創業する方で、小樽市が定める要件を満たす方は、「創業支援補助金」(外部サイト)を活用すると、創業後にかかる事務所、店舗などの賃借料や、内外装工事費の補助を受けることができます。

創業時は、何かと費用がかかるものですので、ぜひご検討ください。
★小樽市の「創業支援補助金」の詳細は、こちら(外部サイト)からご確認いただけます。
「おたる移住起業者マップ」で移住起業者同士のつながりを確保!
「おたる移住起業者マップ」(外部サイト)は、小樽市へ移住してきた方たちのつながりを促進することや、これから小樽へ移住を検討される方に小樽市での暮らしの参考にしていただくことを目的に、小樽商工会議所が作成しているものです。
実際に市外から小樽市へ移住し、起業した方たちの目線で、街の魅力や実際に移住してみて良かった点、これから小樽市への移住を検討されている方へのアドバイスなどが掲載されていますので、地方移住を考えている方は、ぜひ一度覗いてみていただけると幸いです。

マップを通じて、新しいビジネスが生まれるかもしれませんよ!
★「おたる移住起業者マップ」は、こちら(外部サイト)からご確認いただけます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、地方の小規模事業者が向き合う課題と、その解決策の一つとして「観光地での起業」についてご紹介いたしました。
本コラムのポイントは、次のとおりです。
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最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

行政書士事務所 稲穂ONEでは、会社設立に係る定款の作成から認証までの手続のサポート、飲食店営業許可申請サポート、契約書の原案作成・修正業務など創業時に必要な手続のサポート業務を行っております。
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〒047-0032 北海道小樽市稲穂1丁目12-1 マリンシティ101号室 行政書士事務所 稲穂ONE TEL:070-9146-6548 ご依頼・お問合せはこちら 行政書士 佐藤 千峰 |
投稿者プロフィール
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職業:行政書士
経歴:平成30年4月から令和6年12月まで地方公務員として勤務。主に、住民税の賦課業務、例規および重要文書の審査業務などに従事。令和7年5月に行政書士事務所を開業
取扱業務:会社設立サポート、契約書の作成・修正など
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