【コラム】「認定特定創業支援等事業」ってどんな制度??創業者が必ず受けるべき理由とは??

 金融機関や商工会議所、地方自治体や民間企業など、昨今、様々な機関が創業者を対象としたセミナーや個別相談支援などの創業支援事業を行っています。

 これから創業を予定されている方や、創業して間もない方にとっては、心強く感じる一方で、「果たしてどこの支援を受けるのが正解なのか……?」と悩みの種にもなるものです。

 こうした悩みを持つ皆様へ、ぜひお勧めしたいのが、各市区町村が行う「認定特定創業支援等事業」です。

 今回は、この「認定特定創業支援等事業」とは一体どういったものなのかや、受けることによって得られるメリットについて、ご紹介させていただきます。

認定されたい。

最後まで読んでいただけると嬉しいです!

認定特定創業支援等事業」とは

 「創業希望者」「創業後5年未満の方」を対象に、国から「創業支援等事業計画」の認定を受けた市区町村が、創業支援等事業者(認定経営革新等支援機関、地域の経済団体、金融機関、士業、NPOなど)と連携して、その計画に基づき行う継続的な支援事業のことで、支援を受けた方は、経営や財務などの知識を身につけることができます。

 代表的な例としては、4回以上の授業を行う「創業塾」、継続して行う「個別相談支援」、「インキュベーション施設入居者への継続支援」など、原則として1ヶ月以上継続して行う支援が考えられます。

国から認定された計画に基づいて行われる支援制度なので、安心して受けることができますね!

産業競争力強化法(平成25年法律第98号) ※令和7年11月27日時点の条文です。

 (定義)
第二条 (略)

2-30 (略)

31 この法律において「創業者」とは、次に掲げる者をいう。
 一 前項第一号に掲げる創業を行おうとする個人であって、一月以内(認定創業支援等事業計画(第百二十八条第二項に規定する認定創業支援等事業計画をいう。)に記載された特定創業支援等事業(第三号において「認定特定創業支援等事業」という。)により経済産業省令で定めるところにより支援を受けて創業を行おうとする者にあっては、六月以内)に当該創業を行う具体的な計画を有するもの
 二 前項第一号に掲げる創業を行った個人であって、事業を開始した日以後五年を経過していないもの
 三 前項第二号に掲げる創業を行おうとする個人であって、二月以内(認定特定創業支援等事業により経済産業省令で定めるところにより支援を受けて創業を行おうとする者にあっては、六月以内)に当該創業を行う具体的な計画を有するもの
 四 前項第二号に掲げる創業により設立された会社であって、その設立の日以後五年を経過していないもの
 五 前項第三号に掲げる創業を行おうとする会社であって、当該創業を行う具体的な計画を有するもの
 六 前項第三号に掲げる創業により設立された会社であって、その設立の日以後五年を経過していないもの

32 この法律において「創業支援等事業」とは、次の各号のいずれかに該当する事業をいう。
 一 創業を行おうとする者に対する創業に必要な情報の提供、研修又は創業についての指導若しくは助言、創業者の新たに開始する事業の用に供する工場、事業場、店舗その他の施設の整備並びにこれらの賃貸及び管理その他の取組により創業を支援する事業
 二 事業を営んでいない個人に対する創業の意義に関する学習の機会を提供するための講座の開設、創業者(前項第二号及び第四号に掲げるものに限る。)の事業の用に供する工場、事業場、店舗その他の施設において職業を体験する機会の提供その他の創業に関する普及啓発を行う事業

33 この法律において「特定創業支援等事業」とは、創業支援等事業(前項第一号に係るものに限る。)のうち、特に創業の促進に寄与するものとして経済産業省令で定めるものをいう。

  (中略)

 (創業支援等事業計画の認定)
第百二十七条 市町村は、その実施しようとする創業支援等事業(これと連携して市町村以外の者が実施しようとする創業支援等事業を含む。以下同じ。)に関する計画(以下「創業支援等事業計画」という。)を作成し、主務省令で定めるところにより、これを主務大臣に提出して、その認定を受けることができる。
 (略)
 創業支援等事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 創業支援等事業の目標
 二 当該市町村が実施する創業支援等事業の内容(当該創業支援等事業の全部又は一部が特定創業支援等事業に該当する場合にあっては、その旨を含む。)及び実施方法に関する事項
 三 当該市町村が実施する創業支援等事業と連携して市町村以外の者が実施する創業支援等事業がある場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 当該創業支援等事業を実施する者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
  ロ 当該創業支援等事業の内容(当該創業支援等事業の全部又は一部が特定創業支援等事業に該当する場合にあっては、その旨を含む。)及び実施方法に関する事項
  ハ 当該市町村が実施する創業支援等事業との連携に関する事項
  ニ 創業支援等事業(第二条第三十二項第二号に係るものに限る。)の実施に当たり、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校その他の教育機関との連携を図る場合にあっては、当該連携に関する事項
 四 計画期間
 主務大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、その創業支援等事業計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
 一 実施指針に照らし適切なものであること。
 二 当該創業支援等事業計画に係る創業支援等事業が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
 主務大臣は、第一項の認定をしたときは、主務省令で定めるところにより、当該認定に係る創業支援等事業計画の内容を公表するものとする。
 (創業支援等事業計画の変更等)
第百二十八条 前条第一項の認定を受けた市町村(以下「認定市町村」という。)は、当該認定に係る創業支援等事業計画を変更しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認定を受けなければならない。
 主務大臣は、認定市町村(当該認定に係る創業支援等事業計画(前項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定創業支援等事業計画」という。)において認定市町村が実施する創業支援等事業と連携して市町村以外の者が実施する事業(第百三十条において「認定連携創業支援等事業」という。)を実施する者(第百三十一条第一項及び第百四十一条第一項において「認定連携創業支援等事業者」という。)を含む。)が認定創業支援等事業計画に従って創業支援等事業を実施していないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

3-5 (略)

「認定特定創業支援等事業」の調べ方

 創業予定場所の市区町村がどのような「認定特定創業支援等事業」を行っているかは、中小企業庁のホームページ(外部サイト)に掲載されているそれぞれの市区町村の「認定創業支援等事業計画の概要」で確認することができます。

★小樽市の認定特定創業支援等事業★

 令和7年11月27日現在、小樽市の「認定特定創業支援等事業」(外部サイト)は、次の二つです。

事業名事 業 者開催時期
小樽商人塾(外部サイト)小樽市 次回は令和8年1月から開催予定とのことです。
 ※詳細は、小樽市のホームページ(外部サイト)をご確認ください。
ワンストップ相談窓口(外部サイト)小樽商工会議所 随時申込可能とのことです。
 ※詳細は、小樽商工会議所のホームページ(外部サイト)をご確認ください。

「ワンストップ相談窓口」につきましては、創業支援を受けるそれぞれの事業者様が、あらかじめどの程度事業計画を立てているかなどによって、かかる期間が変わってくるみたいなので、事前に小樽商工会議所にご相談されることをお勧めいたします

学べること。

 認定特定創業支援等事業を受けることによって、以下の四つの知識を習得することができます。

経営に関する知識
財務に関する知識
人材育成に関する知識
販売の方法に関する知識

経営に関する重要な知識が習得できるようですね!

どれも独学で習得するのは難しい知識です。

経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(平成26年経済産業省令第1号) ※令和7年11月27日時点の条文です。

 (特定創業支援等事業)
第八条 法第二条第三十三項の特に創業の促進に寄与する事業として経済産業省令で定めるものは、創業者が次の各号に掲げる知識を全て習得できるように支援する事業であって、当該創業者に対して継続的に行われるものとする。
 一 経営に関する知識
 二 財務に関する知識
 三 人材育成に関する知識
 四 販売の方法に関する知識

 認定特定創業支援等事業を受けた方は、創業に当たって、資金調達に有利な各種支援制度を受けることができます。以下、それぞれの制度の概要をご紹介いたします。

会社を設立する際にかかる「登録免許税」が半額に!

 会社を設立する際には、会社の商業登記を行う必要があります。

 株式会社や合同会社の設立にかかる商業登記を行う際には、設立する会社の資本金に応じて、「登録免許税」が課されるのですが、認定特定創業支援等事業の支援を受けて創業を行おうとする方または創業した日以後5年を経過していない個人が会社を設立する際、この登録免許税の軽減を受けることができます

 具体的には、以下の表のとおりです。

会社の種類通常の登録免許税軽減後の登録免許税
株式会社資本金の額の0.7%
(計算結果が150,000円未満の場合は、150,000円)
資本金の額の0.35%
(計算結果が75,000円未満の場合は、75,000円)
合同会社資本金の額の0.7%
(計算結果が60,000円未満の場合は、60,000円)
資本金の額の0.35%
(計算結果が30,000円未満の場合は、30,000円)

株式会社、合同会社ともに登録免許税が半額になるんですね!

 ※登録免許税の詳細につきましては、国税庁のホームページ(外部サイト)をご確認ください。

租税特別措置法(昭和32年法律第26号) ※令和7年11月27日時点の条文です。

 認定事業再編計画等に基づき行う登記の税率の軽減
第八十条 (略)

 (略)

 個人が、産業競争力強化法第百二十八条第二項に規定する認定創業支援等事業計画に係る同法第百二十七条第一項又は第百二十八条第一項の認定を受けた市町村(特別区を含む。)の区域内において、当該認定創業支援等事業計画に記載された同法第二条第三十三項に規定する特定創業支援等事業による支援を受けて株式会社又は合同会社の設立をした場合には、当該株式会社又は合同会社の設立の登記に係る登録免許税の額は、財務省令で定めるところにより同法の施行の日から令和九年三月三十一日までの間に登記を受けるものに限り、登録免許税法第九条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める金額とする。
 一 株式会社 当該株式会社の資本金の額に千分の三・五を乗じて計算した金額(当該金額が七万五千円に満たない場合には、申請件数一件につき七万五千円)
 二 合同会社 当該合同会社の資本金の額に千分の三・五を乗じて計算した金額(当該金額が三万円に満たない場合には、申請件数一件につき三万円)

「租税特別措置法」の規定上、この軽減措置は、「令和9年3月31日までの間に登記を受けるものに限り」とされています。

個人的には、この期限は延長されるのではないかなと考えているのですが、この日以降に登記を受けられる際は、最新の情報をご確認ください!

日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」の貸付利率が引き下げられる!

 日本政策金融公庫は、新たに事業を始める方または事業開始後概ね7年以内の方を対象に「新規開業・スタートアップ支援資金」という融資を行っています。

 この「新規開業・スタートアップ支援資金」の利率は、通常、「基準利率」というものが適用されるのですが、認定特定創業支援等事業を受けて新たに事業を始める方の場合、「基準利率」よりもお得な「特別利率A」というものが適用されます。

 さらに、認定特定創業支援等事業を受けて新たに事業を始める方の中でも「女性の方」「35歳未満の方」は、「特別利率A」よりもさらにお得な「特別利率B」が適用されます。

「基準利率」や「特別利率」は、融資制度、融資の用途、融資期間、担保の有無などによって異なる利率が適用されるようです。

詳しくは、日本政策金融公庫のホームページ(外部サイト)をご確認の上、お近くの支店へお問い合わせください。

 ※制度を受けるには、別途、審査を受ける必要があります

 「新規開業・スタートアップ支援資金」の概要は以下のとおりです。

対象者 新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、その計画を遂行する能力が十分あると認められる方のうち、以下のどちらかに当てはまる方
  ・新たに事業を始める方
  ・事業開始後概ね7年以内の方
資金の用途 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間 設備資金・・・20年以内(うち据置期間5年以内)
 運転資金・・・10年以内(うち据置期間5年以内)
利率(年) 基準利率が適用。ただし、以下の要件に該当する方が必要とする資金(原則として、土地にかかる資金を除く)は、特別利率が適用
  1.女性の方、35歳未満または55歳以上の方
  2.外国人起業活動促進事業における特定外国人起業家の方で新たに事業を始める方
  3.創業塾や創業セミナーなど(産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業)を受けて新たに事業を始める方
  4.「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用しているまたは適用する予定の方であって、自ら事業計画書の策定を行い、認定経営革新等支援機関(税理士、公認会計士、中小企業診断士など)による指導および助言を受けている方
  5.地域おこし協力隊の任期2年目以降の方または任期終了後1年以内の方であって、同隊として活動した地域で新たに事業を始める方
  6.Uターン等により地方で新たに事業を始める方
  7.日本ベンチャーキャピタル協会の会員(賛助会員を除く。)等または中小企業基盤整備機構もしくは産業革新投資機構が出資する投資事業有限責任組合等から出資を受けている方(見込まれる方を含む。)
  8.新しい地方経済・生活環境創生交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める方
  9.新しい地方経済・生活環境創生交付金を活用した起業支援金および移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方
  10.技術・ノウハウ等に新規性がみられる方
担保・保証人 融資を受けられる方の希望に応じて、相談の上、決定
併用できる特例制度 経営者保証免除特例制度(外部サイト)
 創業支援貸付利率特例制度(外部サイト)
 設備資金貸付利率特例制度(東日本版)(外部サイト)
 賃上げ貸付利率特例制度(外部サイト)

 ※詳細につきましては、日本政策金融公庫のホームページ(外部サイト)をご確認の上、お近くの支店へお問い合わせください。

信用保証協会の「創業関連保証」の早期利用が可能に!

 「信用保証協会」は、事業者が金融機関から貸付を受ける際に、その借入債務を保証することを主な業務としている機関です。

 信用保証協会の「創業関連保証」は、これから創業を予定されている方や、創業後間もない方などが、無担保で保証を受けることができる制度です。

 この制度は、通常、個人で事業を開始する場合であれば創業1ヵ月前、会社を設立する場合であれば設立2ヵ月前からでないと利用することができませんが、認定特定創業支援等事業による支援を受けた方であれば、創業または会社設立の6ヵ月前から利用可能となります。

事業開始前の早い段階で、資金調達に動けるのは嬉しいですね!

 ※制度を受けるには、別途、審査を受ける必要があります

 ※創業関連保証の詳細につきましては、各都道府県の信用保証協会のホームページ(外部サイト。リンク先は、北海道信用保証協会のホームページです。)をご確認ください。

各市区町村が行う補助金の交付対象となることができる場合がある!

 市区町村によっては、認定特定創業支援等事業を受けた方を対象に、創業にかかる費用に対する補助金助成金の交付を行っている場合があります。

 市区町村によって、制度の有無や内容が異なりますので、まずは創業予定場所の市区町村のホームページをご確認ください。

★小樽市の創業支援補助金★

 小樽市の場合は、「創業支援補助金」(外部サイト)というものを行っています。

 小樽市内に店舗、事務所などを設置し、新たに創業する方で、小樽市が定める要件を満たす方は、この「創業支援補助金」を活用すると、創業後に係る事務所、店舗などの賃借料や、内外装工事費の補助を受けることができます。

 制度の概要は、以下の表のとおりです。

補助対象事業事業内容補助率補助限度額・補助期間
事務所等家賃補助 創業後の事務所、店舗等の賃借料の補助1/2 補助限度額:月額5万円
 補助期間:6か月(ただし、小樽市商店街振興組合連合会および小樽市場連合会に属する市場における店舗の場合は、12か月
内外装工事費補助 創業に当たり行う事務所、店舗等の内外装にかかる費用の補助1/2 補助限度額は、基本50万円。ただし、以下の各号に該当する場合は、当該各号に示す金額が補助限度額となる。
   ⑴ 市外からの移住を伴う場合 80万円
   ⑵ 40歳未満の場合 70万円
   ⑶ ⑴、⑵の両方に該当する場合 100万円 

創業して間もなくは、資金繰りが大変ですので、ぜひご活用ください。

 ※ その他の補助対象要件や申請に必要な書類など、制度の詳細につきましては、小樽市のホームページ(外部サイト)をご確認ください。

 上記のような優遇制度を受けるためには、認定特定創業支援等事業を受けたことの証明書を発行してもらう必要があります。

 証明書の発行申請手続や必要書類は、市区町村によって異なりますので、詳細は各市地区町村の担当課へご確認ください。

 いかがだったでしょうか?

 今回は、「認定特定創業支援等事業」の概要と、受けることによって得られるメリットについて、ご紹介させていただきました。

 「認定特定創業支援等事業」を受けることによって、事業活動に必要な知識の習得のみならず、資金調達において様々なメリットが得られることをお伝えすることができたかと思います。

 これから新しく事業を始める方や、創業して間もない方は、ぜひご活用ください。

 最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

行政書士事務所 稲穂ONEでは、会社設立に係る定款の作成から認証までの手続のサポート飲食店営業許可申請サポート契約書の原案作成・修正業務など創業時に必要な手続のサポート業務を行っております。

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行政書士 佐藤 千峰

投稿者プロフィール

佐藤 千峰
職業:行政書士
経歴:平成30年4月から令和6年12月まで地方公務員として勤務。主に、住民税の賦課業務、例規および重要文書の審査業務などに従事。令和7年5月に行政書士事務所を開業
取扱業務:会社設立サポート、契約書の作成・修正など